犬と猫の嗜好性について 2 味覚
味覚について
味は舌の表面に存在する味蕾という器官で感じています。
味蕾の数は、犬:約1700個 猫:約500個 人:約6000個
人と比較すると、犬と猫の味蕾の数はかなり少ないですね。
犬と猫にとって味覚は嗜好性の評価要因としては嗅覚ほど重要で
ないと考えられています。
そして、犬と猫では味の感じ方も異なると言われています。
一般に味覚というと、旨味・塩味・甘味・苦味・酸味で表されますが、
犬と猫の感じ方は以下の通りです。
(☆の数が多いほど、その味をより感じられる)
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犬 猫
旨味 旨味は他の味を増幅させ、食後の後味の原因となりまます。 ☆ ☆☆
塩味 肉食動物の食事には塩分が豊富に含まれているので、完全肉 ☆☆☆ ☆
食動物である猫では、食物中に塩分を求める必要性が低く、
塩分を認識する能力が低いと考えられています。
甘味 猫は甘みを感じることができません。犬の甘みに対する好み ☆
は生まれながれのものではありません。
飼い主の誤ったしつけにより甘みに対する好みが習得されます。
苦味 猫は苦味を敏感に感じます。毒物には強い苦味がある場合が ☆ ☆☆☆
多く、猫は苦味を敏感に感じることで毒物を避けることができます。
酸味 猫は強い酸味を嫌います。 ☆ ☆
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猫では、嗅覚や触覚、味覚に加えて、肉食動物としての特性や品種などの先天的な
要因、また授乳期・離乳期の母猫の離乳後のフードの影響、生理的な状態、生活環
境の影響といった後天的な要因など、さまざまな要因が猫の好みに影響を与えます。
また、その影響の大きさは一定ではなく、時々に変化しています。つまり1つのフ
ードですべての猫を満足させることは難しく、また同じ猫が同じフードを食べたと
しても、日々そのフードの感じ方が変わります。このため猫では、犬と比較して食
べない悩みが多くみられるのです。
ロイヤルカナン Vets Plan News Vol.31より
わんちゃん、ねこちゃんが食欲なかったり、美味しいものをあげて喜ぶと、つい
いろいろな食べ物を与えたくなりなりますが、結果として食べ物に我儘な子に育て
てしまっているケースもあります。そうなると、病気になって療法食が必要なとき、
切りかえが難しい子もいます。
人も動物も、食の贅沢はほどほどが良いかもしれませんね。
院長
参照
犬と猫の嗜好性について 1 嗅覚
http://nobvet.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23