寒い時期に多い椎間板ヘルニア
12月に入り雪も降り始め、本格的な冬の到来を感じさせる寒さが続いていますね。
寒くなってくると起こりやすい疾患はいくつかあるのですが、椎間板ヘルニアもそのひとつです。
当院では10月から1月にかけての寒い時期に症状が現れているワンちゃんが多く、ペット保険のアニコム損害保険株式会社の調べ(2009年度)でも、犬の骨や関節の疾患(椎間板ヘルニア、関節炎、膝蓋骨脱臼など)の発症が多いのが12月から2月というデータが出ています。
背骨の骨と骨の間にはショックを吸収する役割の椎間板があり、その椎間板が固くなったり、損傷したりすると、内部にある髄核が外に出てきたり(下図①)、外側の線維輪が突き出してきて(下図②)、脊髄神経を圧迫し、様々な神経症状を引き起こすのが椎間板ヘルニアです。
寒い時期に椎間板ヘルニアが起こりやすい要因としては、
○冬季は気温の低下や気圧の変化などにより、体が冷えるため血行が悪くなり、痛みを感じやすくなる。
○寒さのため、散歩が少なくなるなど運動不足になることで体重増加や筋肉の低下を招く
などが考えられています。
発症の予防のためにも、
○冷たい風が当たる場所、極端に寒い場所にいるのは避ける。
○散歩前、運動不足になっているようならフードの量を控えめにして太らせない。
以上のことに気を配ってください。
そして、少しでも気になる症状があるときは早めにご来院ください。