糖尿病について

犬や猫にも糖尿病があることをご存知ですか?
糖尿病とは?
私たちの体は細胞が集まってできていて、その細胞は血液中のブドウ糖をエネルギー源としています。このとき、血液中のブドウ糖を細胞に取り込む時に必要なのがインスリンです。糖尿病は、このインスリンの分泌量が低下したり、作用が阻害され、必要な糖分が細胞内へ取り込めなくなり、血液中に糖がどんどん溜まってしまっている状態です。
もっと簡単に言うと、”細胞が飢餓状態”に陥っている状態です。そして、血液中に糖が溢れているため、感染症にかかりやすかったり、白内障になりやすかったり、さまざまな合併症を引き起こします。
糖尿病の症状は?
□ おしっこの量や回数が多い
□ 水をたくさん飲む
□ たくさん食べているのにやせてきた
□ 食欲増加、または食欲不振
□ 眼が白くにごる (白内障:特に犬に多い)
□ かかとをつけて歩く (猫)
ちなみに・・・
ヒトの糖尿病は、4つに分類されます
■1型糖尿病
インスリンを作るすい臓の細胞が壊れ、インスリンを作れなくなることが原因。
■2型糖尿病
肥満によって、インスリンが効きづらくなっている状態。。日本人多いタイプ。
■遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの
■妊娠糖尿病
犬の糖尿病の原因
・ 犬の糖尿病は、ヒトの1型糖尿病に近いタイプが50%
・ すい臓の病気やクッシング症候群(副腎の病気)に伴う場合もある
・ 肥満は直接糖尿病の原因にはならないといわれているが、インスリンが効きにくくなる
・ 避妊をしていない雌で多くみられる (これは、ヒトや猫など他の動物ではみられません。)
猫の糖尿病の原因
・ 80~ 95%はヒトの2型糖尿病に近いタイプ。 肥満が大きな原因
・ 去勢雄での発生が多い
・ 膵臓の病気が原因となるケースもある
糖尿病は、いったん発症すると毎日の注射や食事管理が長期間続きます。
労力的、精神的、経済的に負担がとても大きい病気ですので、犬と猫の糖尿病を理解し、予防できることはしてあげましよう。
雌犬なら、不妊手術をしてあげましょう。
猫なら、適正体重を維持してあげましょう。
(院長)