高齢猫がかかりやすい病気(1)

今月のブログは、来月の猫検診キャンペーンにむけて、高齢の猫に

ついて知ってほしいことをテーマにしています。

ここで、高齢猫がかかりやすい病気をいくつか紹介します。

 

①【慢性腎疾患】

みなさん、腎臓は何をしているところか知っていますか?

【腎臓の働き】
①  老廃物の排泄
②  水分の調節
③  電解質(ミネラル)のバランス調節
④  酸塩基平衡のバランス調節
⑤  造血ホルモンの分泌
⑥  血圧の調節
⑦  ビタミンDの活性化

などを行っています。

簡単に言うと、血液を濾過して、体に要るものと要らないものに分け

て尿を作っている臓器です。

 

肉食動物である猫は、高タンパクの食事をとり、濃縮された尿を排泄

するので、もともと腎臓に負担がかかりやすい動物と考えられていま

す。
「慢性腎疾患」は、中高年以上の猫の死亡原因の上位に挙げられる病

気です。

【慢性腎疾患】どは、
腎臓の働きが徐々に失われていく状態で、このため、水分を捨てすぎ

て脱水状態になったり、血液中に毒性のある不要物がたまって障害を

起こしたりしてくる状態です。徐々に進行していく病気で、一度発症

すれば治ることはありません。

ですから、早期に発見し、腎臓に負担のかかりにくい食事に変更した

り、治療を開始することが大事になります。

 

【よく見られる症状】
———————————————-

初期  ほとんど症状がみられない
中期  水をよく飲む
おしっこの量が増える
末期  嘔吐、貧血、体重減少、脱水

———————————————-

 

【どんな検査をするのか?】

血液検査や尿検査で以下の項目をチェックします。

———————————————-
〇 尿比重
尿の濃縮能の指標
ネフロンの66%が喪失してから上昇します

〇 血中クレアチニン
腎濾過機能の指標
ネフロンの75%が喪失してから上昇します

〇 BUN
体内の老廃物蓄積の指標

〇 SDMA
腎機能が40%失われた段階で上昇
———————————————

 

”多飲多尿”の症状で、腎疾患に気づくことも多いですが、症状がなくても健康診断で腎疾患が 見つかることも多いです。

7歳をすぎたら、定期的に健康診断をおすすめします。