高齢猫がかかりやすい病気(3)

③【心筋症】

心筋症は、心筋(心臓の筋肉)が、厚くなったり薄くなったりするなどの異常が生じて、心臓の働きが弱くなる病気です。
高齢猫に多い心臓病に心臓の壁(心筋)が厚くなる「肥大型心筋症」と、心筋が薄くなって左心房や左心室が拡大する「拡張型心筋症」があります。

【症状】
心筋症になると、初期にはほとんど症状が見られないか、元気や食欲がやや低下している程度ですが、病状が進むと、ぐったりとうずくまることが多くなり、運動を嫌がるようになります。また、肺水腫や胸水による咳、呼吸困難などの症状が現れることもあります。心筋症では、心臓内に血栓(血の固まり)ができやすくなり、できた血栓が心臓から動脈に流れ、後ろ足などの血管に詰まる(血栓塞栓症)と、その先に突然麻痺を生じることがあります。

 

犬の場合は、散歩でバテやすくなる、咳をするなどで心疾患を気づくことがありますが、猫の場合は突然、重症化して気づくことが多いです。

中高齢になったら、症状がなくても、心臓の壁が厚くなっていないか。また、左心室腔が狭くなっていないか、心エコー検査などをしましょう。