『白ごま』の様なもの、その正体は?
最近、ワンちゃん猫ちゃんのまわりで、
『白ごま』の様なものが落ちている、と言って来院される方が数件ありました。
これなんだか,解りますか?
これは、瓜実条虫の片節とよばれるものです。
本体は、最大で体長40cm程度になる寄生虫で、消化管に寄生しています。
この寄生虫の端がちぎれて、便と一緒に肛門からでてきます。
肛門の周りに着いていたり
(食事中のかた、ゴメンナサイ)
ウンチの表面に着いていたり
はじめは、ウニョウニョ動いているのですが、
すぐに乾燥して『白ごま』の様になります。
ちなみに、顕微鏡でみると、中にはたくさんの虫卵が入っています。
ここで、瓜実条虫について、勉強してみましょう。
瓜実条虫は、ノミの幼虫が瓜実条虫の卵を食べることでノミの体内に入り、その体内で発育を開始します。
そして、ノミが幼虫からサナギへと発育した頃に、その体内に寄生していた瓜実条虫の幼虫も成長して感染能力を持つようになります。
そのノミをワンちゃん、ネコちゃんがグルーミングで飲み込んでしまうと、瓜実条虫に感染します。
瓜実条虫に感染しても、通常は無症状ではっきりした症状は見られません。しかし、多数の瓜実条虫が寄生している場合には、下痢や軟便、食欲が落ちるなどの症状が見られることがあります。
そして、この寄生虫はなんと人間にも感染します。感染ルートは誤ってノミを飲み込んでしまうことです。
よって、瓜実条虫がいる場合は、瓜実条虫を駆虫するだけでなく、ノミ駆除も行いましょう。
バイエルのホームページ☆わかりやすいムービーで紹介しています
http://www.bayer-pet.jp/pet/movie/dog/